合成界面活性剤が発ガン性を起こすメカニズム

皮膚は、上から表皮、真皮、皮下組織の順番で構成されていますが、表皮の表層には角質層と呼ばれる硬い組織があり、これが皮膚の最も外側の部分として空気に触れています。角質層は、タンパク質のケラチンや脂質の細胞膜、セラミドなどが何重にも積み重なって作られており、外から異物が入り込むのを防ぐ機能があります。また、真皮はコラーゲン、皮下組織は脂肪組織で作られています。

 
しかし、このようにガードが固い角質層であっても、塗り薬やローション、クリームで使われている化学成分は分子量が小さく脂に溶けやすいため角質層を浸透することが可能です。そして、もしこの化学成分が人体に悪影響を及ぼすおそれがある合成化学物質(合成界面活性剤)だった場合、容易に角質層を通過するだけでなく脂肪組織で構成された皮下組織をも透過してしまい、永きにわたり皮下組織にとどまったり、血液やリンパ液の流れに乗って全身に運ばれてしまったりします。

 

しかも、口や鼻から入り込む化学成分とは異なり、皮膚から混入した化学物質はほとんど排泄されないとさえ言われているのです。そのため、合成化学物質が体内にとどまり続けて、いつしか細胞内の核に入るDNAに異変を生じさせ、ガン発生遺伝子が目覚めて正常な細胞をガン細胞に変化させる可能性があります。これが発ガン性があると言われている所以となっています。

 
また、合成化学物質は皮膚の温度が上昇すると、一般的に吸収率が上がると言われているので、とくにほぼ毎日過ごしているであろう入浴の時間が最も化学物質が皮膚に入り込む危険性が高い時間帯となります。つまり、毎日使用して触れている石けんやシャンプー、リンス、入浴剤などに合成界面活性剤が使われている製品を使用することが、最も危険であると考えられるわけです。

 

(参考文献: 「経皮毒」がまるごとわかる本 / 三笠書房,2005)
 

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